
補聴器は、一日中身につけているもの。もちろん家の外でも使います。
屋外ではたいてい風が吹いているもの。この風が補聴器に当たると「風雑音」が発生します。
補聴器にとって大敵ともいえる風雑音。最近の補聴器にはこの雑音を抑制する機能が搭載されているものもあります。
風雑音とは?その抑制機能とは?詳しくご説明します。
1 風雑音とは?
テレビの中継で、アナウンサーの声が雑音にさえぎられて聞き取りづらかった、という経験はありませんか?
声に重なって「ボーボー」というような大きな音がします。
また、屋外から携帯電話で話している相手の声が風の音で聞こえづらい、ということもありますよね。
場合によっては声はほとんど聞こえず、「ボボボボボ!」という音だけが聞こえる、ということも。
この音がする原因は、「マイクに風が当たり、空気の渦が発生するから」です。
アナウンサーが持っているマイクや、携帯電話に内蔵されているマイクに強い風が当たると、そこに空気の渦が発生します。
この渦がマイク周辺の空気の圧力を変化させて、空気が振動し、それが「雑音」としてとらえられます。
2 補聴器で風雑音がすると、とてもうるさい!
風による雑音は、ただでさえ気分がよいものではないのですが、これが補聴器で発生するとさらに大変です。
なにせ、補聴器は音を増幅する機械。風雑音を大きく増幅して耳に届けてしまうと、うるさくて不快で大変です。
この風雑音のせいで一昔前の補聴器は、「風が強い場所では使えない」ものでした。
3 最近の補聴器には「風雑音抑制機能」がついた
この不便さを解消すべく、最近の補聴器の多くには「風雑音抑制機能」が搭載されています。
風雑音が発生すると、補聴器がそれを判断し、自動的に抑制してくれます。
風雑音は人間の会話とは違う特徴がある音のため、補聴器はその雑音が含まれる近辺の周波数の音を大きくしないようにします。
4 全ての補聴器に搭載されているわけではない
気をつけたいのは、この機能はどの補聴器にも搭載されているわけではないという事です。
ブランドや補聴器のシリーズ、またクラスによって搭載されている・されていないが変わります。
多くの場合、より新しく、より高いクラス(高額なクラス)に搭載されていることが多いようです。また、クラスによって性能に差がある場合もあります。
補聴器のカタログで確認したり、補聴器販売店のスタッフに聞いたりしてみてください。
5 購入前に実際に試してみる
もしあなたが補聴器購入を考えていて、その補聴器を屋外で使う頻度が高いのなら、購入前に風雑音の効果を確かめてみることをおすすめします。
多くの補聴器販売店では、補聴器を購入する前に数日~数週間貸し出してくれます。そのお試し期間内で、自分の生活環境で補聴器がどのように役に立つかを確かめることができます。
この時に、実際に風が吹く場所に行ってみて、風雑音抑制機能が働いているかどうかを確認してみてください。
お試し期間に補聴器販売店に行って設定を変えてもらい、風雑音抑制機能が搭載されているクラスと、搭載されていないクラスの両方を試してみるのも良いでしょう。