
「補聴器 ピーピー音」
検索バーにこのキーワードを入力したことがある人は、少なくないようです。
補聴器から「ピーピー」「ザー」といった耳障りな音がする現象は、補聴器ユーザーにとって、大きな悩みのひとつとなっています。
ここでは、補聴器のピーピー音が発生する理由や日常生活にどんな影響を与えるかということについて説明しています。
さらに、最も重要な点として、ピーピー音にどのように対処し、防ぐことができるかについても紹介します。
補聴器を初めて使用する方はもちろん、長年装用している方にとっても、毎日快適に補聴器を使い続ける上で役立つに違いありません。
目次
1 補聴器のハウリング(フィードバック)とは?
補聴器から発生するピーピー音は「ハウリング」や「フィードバック」と呼ばれています。
ハウリングは補聴器ユーザーにとっては悩みの種ですが、最近では、技術の進歩により、ハウリングの発生を検知し、音が目立ってしまう前に止めることができるようになってきました。
1-1 ハウリングが発生する原因
補聴器のハウリング(フィードバック)は、補聴器によって増幅された音が補聴器と耳の隙間などから漏れ出し、その音を補聴器のマイクが再び拾うことで発生します
このように音のループが形成され、それが「ピー」や「ヒューヒュー」という音の原因となります。
コンサートやライブ、またカラオケなどで、マイクをスピーカーに近づけすぎた際に、同じような音を聞いたことがあるかもしれません。
この音は不快で耳障りで、補聴器で発生すると、とてもイライラさせられます。
一般的なハウリングの音の例と、考えられる発生のきっかけ
ハウリングの音の例 | 発生する場面 |
---|---|
「ヒュー」という口笛のような音 | 補聴器のつけ外しをした時 |
「ピーピー」という鳥のさえずりのような音 | 帽子、スカーフなど耳を覆うものを着用した時 |
「ブンブン」という音 | 誰かを抱きしめたり、耳に何かを近づけたりした時 |
「キーン」という悲鳴のような音 | 口を開けたり首を傾げたり回したりした時 |
1-2 ハウリングが日常生活に与える影響
たまに発生するハウリングはそれほど気にする必要はありません。ただし、頻繁に起こる場合は、さまざまな問題が潜んでいる可能性があります。
耳あかの蓄積、補聴器のフィット感の悪さ、調整の状態など、原因はいろいろ考えられます。
ハウリングは単に不快なだけではありません。補聴器を装用するという行為自体にまで影響を与える恐れがあります。
実際、ハウリングが原因で補聴器の使用を完全にやめてしまう人もいます。
世界保健機関(WHO)は、難聴を放置すると、社会からの孤立、日常生活への不安、生活の質の低下につながる可能性があると指摘しています。
ハウリングが頻繁に起こると、周囲とのコミュニケーションが上手くいかなくなったり、恥ずかしい思いをしたりすることで、毎日の生活により悪い影響を及ぼす可能性があります。
ハウリングが日常生活にどのような影響を与えるか、いくつか例を挙げて説明します。
職場で
静かな会議室に座っているところを想像してみてください。
同僚が発言しようとしているときに、突然あなたの補聴器から甲高いピーピーという音が鳴りました。
その瞬間は、あなたはとても気まずい思いをするでしょうし、その場にいる全員にとっても気まずいものになります。
その音を同僚に聞かれなかったとしても、仕事の場でのハウリングは、あなたの集中力を削ぎ、仕事の妨げになることがあります。
人が集まる場所で
冠婚葬祭、会食、宴席から友人との気軽な集まりまで、人と人との繋がりを築くための大切な集まりはいろいろあります。
しかし、口を動かしたり頭を回したりするたびに補聴器がピーピーと音を立ててしまうと、周囲から注目を集めないように黙り込んでしまうことになるかもしれません。
大切な人と
多くのユーザーが、子供や孫を抱きしめたりした時にハウリングが起きたと報告しています。
こうした機会は人生の喜びを感じる瞬間であり、誰にも邪魔をされたくないものです。
ハウリングが頻繁に起こる場合、補聴器の音量を下げることで解決しようとするユーザーもいます。
確かにそれでハウリングは軽減されるかもしれませんが、補聴器のそもそもの性能を発揮させることができません。
会話の内容、聞き逃せないアラームなど、重要な音を聞き逃してしまうことにもなりかねません。
2 ハウリングを軽減するための簡単な方法
補聴器のハウリングを抑えたいなら、まずはシンプルな方法を試してみてください。簡単にできますが、意外と効果的です。
補聴器を正しく装着する
補聴器がしっかり耳に装着されていないことが、ハウリングの主な原因です。
補聴器を耳あなから一度取り外し、装着し直し、しっかりと耳にフィットするようにしてください。
耳あなにしっかり密着させることで、ハウリングの原因となる音漏れを防ぎます。
緩んできたと思ったら都度入れなおし、あまり頻繁に起こるようなら補聴器のお店に相談してください。
補聴器を定期的に掃除する
マイクやレシーバーに耳あかやホコリが詰まると、ハウリングが発生しやすくなります。
柔らかく乾いた布とクリーニングブラシを使って、補聴器についた汚れを優しく取り除いてください。
また、補聴器取扱店で定期的なクリーニングを受けるようにしましょう。
耳に耳あかがたまっていないか確認する
少量の耳あかでも、ハウリングを引き起こすことがあります。
耳鼻科で定期的に耳あかを取り除いてもらうことをおすすめします。
音量を少し下げる
補聴器は音を増幅するものです。増幅の度合いが大きすぎると、音漏れにつながる可能性があります。
静かな環境では、必要に応じて音量を少し下げるようにしてください。
物理的な損傷がないか点検する
補聴器のチューブの亀裂、レシーバーの緩み、耳せんの摩耗や劣化は、ハウリングを引き起こす可能性があります。
補聴器のお店で補聴器の状態を定期的に点検してもらうようにしましょう。
音が反射しやすい場所を避ける
タイル張りの壁や鏡は、マイクに向かって音を反射させることがあります。
そのため補聴器の状態が正常でも、トイレや狭い廊下では、そもそもハウリングが発生しやすくなることがあります。
フィードバックテストを行う
補聴器取扱店でフィードバックテストを実施し、補聴器の設定を調整することで、ハウリングが発生しにくいようにすることができます。
補聴器のお店に相談してみてください。
補聴器のお店に相談を
このように、自分でできる対策はいろいろありますが、ハウリングに悩まされているのなら、早いうちに補聴器のお店に相談してみてください。
自分では気づかない点を指摘してもらえることもあるでしょうし、補聴器の音の調整をするだけで改善することもあります。
3 ハウリングを抑える最新技術
多くの最新の補聴器には、「ハウリングを軽減・防止する技術」が組み込まれています。
特に「防止する技術」は、ハウリングが発生した後に対処するのではなく、補聴器の状態を絶えず監視しながら働くことで、ハウリングを制御しながら、ストレスのない自然な聴覚体験を可能にします。
仕組みは以下のとおりです。
リアルタイムでハウリングを監視
補聴器が、耳から漏れた音がマイクに向かってループし始めていないかなど、ハウリングの兆候を常に監視しています。
ハウリングの兆候を検知すると、補聴器はハウリングの原因となる信号を瞬時にキャンセルします。
変化への対応
イヤモールドやイヤチップの交換、耳せんの交換、耳あかの蓄積は、耳の中の音の伝わり方に影響を与える可能性があります。
音の伝わり方の変化が発生すると、補聴器は自動的に設定を再調整し、ハウリングの発生を抑制します。
ユーザーが自分で調整する必要はなく、補聴器が自動で行ってくれます。
両耳での連携
両耳に補聴器を装用すると、補聴器同士がワイヤレスで通信します。
2台でハウリングの状態を監視し、情報を共有することで、より効率的にハウリングを抑制することができます。
このような最先端技術により、ハウリングの心配が軽減され、聞きたい音に集中することができます。
ワイデックスの最新器種 ALLURE[アルーア]に搭載されたハウリング抑制技術
最新の補聴器は、単に音を増幅してくれるだけではありません。
さまざまな高度な技術を搭載した補聴器は、常時補聴器の状態を監視しながらハウリングを自動的に抑制してくれます。
そのため、予期しないピーピー音に邪魔されたり、こまめな対策に気を取られたりすることなく、会話や聞きたい音に集中できるようになっています。
ハウリング抑制機能を搭載した補聴器なら、混雑したカフェや騒がしい雑踏など、周囲が騒がしい環境でも、クリアな会話と自然で豊かな音を快適に楽しむことができます。
その結果、聞くということに気を取られることがなくなり、会話の内容、テレビや映画のあらすじなど、本当に楽しみたいことだけに集中することができるようになります。
ワイデックスの最新器種ALLURE[アルーア]では、従来よりさらに進化したハウリング抑制技術「ダイナミックフィードバックコントローラー」を搭載。
周囲の環境やユーザー個々の装用状態に合わせて柔軟に対応することで、音量や音質を維持しながらハウリングを強力に抑えることで、会話の聞き取りやすさを保つことを可能にしています。
4 もうハウリングに悩まされない
「なぜ補聴器からピーピーという音がするのだろう?」と疑問に思ったり、日常的にハウリングに悩まされたりしているのは、あなただけではありません。
補聴器ユーザーにとって、ハウリングはやっかいではありますが、解決できる問題です。
適切なお手入れ、専門家による定期的なサポート、そして最新のテクノロジーを組み合わせることで、補聴器のハウリングを抑えることは可能です。
最先端のハウリング抑制機能を搭載した補聴器を検討してみてはいかがでしょうか。
多くの補聴器のお店では、購入前に数日~数週間補聴器を貸し出してくれます。
自宅やよく行く場所など、普段の生活の中で実際に使ってみて、ハウリング抑制の効果を実感することができます。
「補聴器のお店を探す」ページであなたのそばの補聴器販売店を探してみてください。