
「あっ!補聴器が濡れてしまった!」
お風呂に入る前に外すのを忘れてしまった、急な雨でびしょ濡れになってしまった、汗をたくさんかいて気がついたら補聴器も濡れていた…
そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
その瞬間、「もう壊れちゃったかも」「高い補聴器なのに…」と、心配でいっぱいになってしまいますよね。
お気持ち、とてもよく分かります。
でも、ちょっと深呼吸してみてください。
実は、最近の補聴器は生活防水機能がついているものがほとんどです。
そして何より、正しい対処法を知っていれば、まだ助けられる可能性があります。
とにかく、以下の自宅での応急処置がポイント!
- 冷静に対応し、電源を切る(電池式の方は電池も取り出して)
- 乾いた布やティッシュでやさしく水分を拭き取る(電池も拭いて)
- 専用の乾燥器または乾燥カップを利用して、しっかりと乾燥させる
今回は、「補聴器が濡れてしまった時にどうすればいいの?」という疑問にお答えして、自宅でできる応急処置から、絶対にやってはいけないNG行動やお店での点検、次の水濡れを防ぐためのコツまで、分かりやすくお話しします。
目次
1 補聴器が濡れた!まず最初に自宅ですること
補聴器が濡れてしまった時は、自宅での最初の対応がとても大切です。
慌ててしまう気持ちは分かりますが、まずは深呼吸して、以下の手順で冷静に対処しましょう。
ステップ 1:何よりもまず、電源を切りましょう(電池式補聴器は、電池も取り出しましょう)
ステップ 2:水分をやさしく拭き取ってあげましょう
乾いたやわらかい布やティッシュペーパーを使って、補聴器の表面についた水分をそっと拭き取ってください。
▶充電式補聴器をお使いなら
- 充電端子の部分は特に念入りに拭いてください
- 細かい部分は綿棒を使うと、きれいに拭き取れます
▶電池式補聴器をお使いなら
- 電池室の中も忘れずに拭いてください
- 取り出した電池も水分を拭き取ってください
ステップ 3:じっくりと乾燥させてあげましょう
水分を拭き取った後は、乾燥カップあるいは乾燥機を利用して、補聴器をしっかりと乾燥させることがとても大切です。
乾燥カップの場合 | 乾燥機の場合 |
![]() *補聴器専用の乾燥カップのイメージです |
![]() *補聴器専用の乾燥機のイメージです |
乾燥剤がまだ使えるかどうかを確認する 新しいものに入れ替えると、より乾燥力が高まる |
補聴器単体を中に入れて、乾燥させる |
普段よりも長い時間乾燥カップの中に入れておくとよい |
温風を循環させたりすることで、よりしっかりと水分を取り除くことが可能 |
▶充電式補聴器をお使いの方は、完全に乾くまでは絶対に充電しないでくださいね。濡れた状態での充電は故障の原因になってしまいます。
2 絶対やってはいけないNG行動一覧
「早く乾かしたい!」という気持ちから、つい良かれと思ってやってしまいがちな行動が、実は補聴器にとってはとても危険です。
大切な補聴器を守るために、以下のことは絶対に避けてくださいね。
2.1 ドライヤーなどの熱い風は使わない
ドライヤーやヘアドライヤーで乾かすのはNG
「温風の方が早く乾きそう」と思いがちですが、実はドライヤーの風は思っている以上にとても熱いものです。
補聴器の中の繊細な部品が、その熱で傷んでしまう可能性があります。
ストーブやファンヒーターの近くもダメ
暖房器具の近くも、補聴器にとってはちょっと暑すぎる環境です。
中の回路が熱で故障したりしてしまうかもしれません。
2.2 お日さまの光も避ける
「お洗濯物みたいに、お日さまで乾かせばいいかな?」と思われるかもしれませんが、これも実はNGなんです。
特に夏場の直射日光は、想像以上に温度が上がってしまいます。
特に充電式補聴器をお使いの場合、中に入っている電池が熱くなりすぎて、膨らんだり壊れたりする危険がありますので、注意が必要です。
2.3 電子レンジは絶対に使わない
「短時間で乾燥できるかも?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは本当に危険です。
電子レンジの電波が補聴器の部品を壊してしまって、充電池が発火してしまうこともあります。
電子レンジ自体も故障してしまうことがあるので、絶対にやめてください。
2.4 こたつや電気毛布も実は危険
冬場によくありがちなのが、「こたつの中に入れておけば乾くかな?」「電気毛布の上に置いておこう」ということも。
でも、これらも補聴器にとってはちょっと熱すぎます。
他にも気をつけたい暖かい場所
- 床暖房の上
- 暖房の風が直接当たる場所
- 電気カーペットの上
- 湯たんぽや電気あんかのそば
2.5「何もしない」のも実は心配
「何もしないのが一番安全かな?」と思われるかもしれませんが、実は放っておくのもよくありません。
今の補聴器は、防水性能は上がっていますが、完全に水を通さないわけではありません。
中に入った水分をそのままにしておくと、こんなことが起こるかもしれません。
- 金属の部分がサビてしまう
- 電気の通り道が傷んでしまう
- 音が悪くなってしまう
- 動きが悪くなってしまう
だからこそ、お家でできる1章でご紹介したことをしっかりやった後で、専門の方に見てもらうことが大切です。
3 自宅での対処後は、ぜひお店で点検を受けてください
お家で応急処置をしていただいた後は、補聴器を持って、ぜひ購入販売店にいってください。
「見た目は大丈夫そうだから…」と思われるかもしれませんが、実は見えない部分に水分が残っていることもあります。
お店では、自分では手の届かない奥の方まで、専用の機器を使って徹底的にきれいにしてもらえます。
目に見えない小さな水分も、しっかり取り除いてもらえるので安心ですね。
「ちゃんと動いてるかな?」という心配も、専門の機械でしっかりと調べてもらえます。気づかない小さな不具合も、早めに見つけてもらえます。
また、お店に行かれる時は、補聴器の保証書も忘れずにお持ちください。
どんな保証が使えるか、修理や交換が必要になった時はどうすればいいか、どんなサービスが受けられるかなど、詳しく相談することができます。
とにかく早めに対応することが、補聴器を長持ちさせる一番のポイントです。
4 今度は大丈夫!水濡れを防ぐちょっとしたコツ
一度水に濡らしてしまった経験を、今度は上手に活かしてみませんか?
完全に水を避けるのは難しいかもしれませんが、ちょっとした工夫で水濡れのリスクを多少でも減らすことができるかもしれません。
お風呂やシャワー
入浴前は必ず補聴器を外す習慣をつけてください。
脱衣所に行く前に補聴器を外すのがよいでしょう。
雨の日のお出かけ
傘をさしていても、横から吹いてくる雨で濡れてしまうことがありますよね。
帰宅後は、1章に説明した通りの3つのステップを行ってください。
プールや海水浴
楽しいレジャーの時は、補聴器を保管ケースに入れて、安全な場所に置いておきましょう。
汗よけカバーを活用
補聴器専用の汗よけカバーやスリーブを使うと、汗から補聴器を守ってくれます。
特に暑い季節には特におすすめです。
こまめなお手入れを習慣に
補聴器を外した後に、自宅での毎日のお手入れ習慣をつけましょう。
補聴器用の乾いた布
お出かけの際は、補聴器のための乾いた布を必ず持参しましょう。
突然の雨や汗などをすぐに拭き取れるように使いましょう。
補聴器用のケース
外出先で一時的に補聴器を外さなければいけない時のために、安全な保管場所として専用ケースを活用します。
外出時はいつも持っていくようにしましょう。
充電式補聴器の場合は、ポータブル充電器も使えます。
まとめ
補聴器が濡れてしまった時は、どなたでも「あっ!」と驚いてしまいますよね。
でも、正しい対処法を知って、慌てることなく適切に対応できることはとても重要です。
水濡れした時の最初の対処がポイント!
1 – 冷静に対応し、電源を切る(電池式の方は電池も取り出す)
2 – 乾いた布やティッシュでやさしく水分を拭き取る
3 – 専用の乾燥器または乾燥カップを利用して、しっかりと乾燥させる
目で見えない問題もある可能性があるため、お家での応急処置の後はお店での点検もとても重要です。
とにかく「早めに対応することが、補聴器を長持ちさせる」ことを覚えておいてください!
もし何か心配なことがあったら、一人で悩まずに、補聴器販売店のスタッフにご相談ください。