
「祖父母に、両親に、補聴器をプレゼントしたいのだけど、どうすればいい?」というご相談を受けることがあります。
補聴器をプレゼントするのは、とても素敵なアイデアだと思います!
あなたがお相手のことを思いやっていることが伝わりますし、お相手とこれからも楽しい会話を楽しみたい、という思いも伝わるでしょう。
補聴器をプレゼントするには、いくつかのコツがありますので、それを踏まえてぜひ実行してください。
目次
コツその1:どの補聴器をプレゼントする?
プレゼントするときにまず考えるべきことは、どの補聴器をプレゼントするか、という事です。
具体的にいうと、「通販で売っている補聴器か、お店で売っている補聴器か」です。
この2種類は、買い方も違いますし、補聴器の性能も大きく違います。
通販で買ってプレゼント
通販やネット販売で様々な補聴器が売られているので、それを購入し、プレゼントします。
「補聴器」で探していると「集音器」が紹介されることも。集音器は難聴の人には向かない場合もあるので、必ず「管理医療機器である補聴器」であることを確認してください。
ただし、「補聴器」であっても、通販などで売られている補聴器の機能は限定的で、充分に聞こえ方をサポートできない場合も多々あります。
特に補聴器が初めての方は、お店で買う事をおすすめします。
一緒にお店に行って選んでプレゼント
補聴器販売店に行き、補聴器専門家と一緒に補聴器を選び、購入時に費用を負担する方法です。
通販で買う補聴器に比べて搭載機能が豊富で、一人ひとりの聞こえ方や生活に合わせて細かく音を設定することができます。
また、多くの種類から選ぶことができます。
補聴器に慣れるまでお店に何度も通うことができ、その後もアフターケアをしてもらえます。
このように機能もサービスも充実している分、通販の補聴器に比べてお高めです。
それぞれの補聴器の、良い点と気をつけるべき点をまとめました。
通販で買う補聴器 | お店で買う補聴器 | |
良い点 |
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気をつけるべき点 |
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もしあなたがお相手のそばに住んでいて、週に1度、または数週間に1度、お相手と一緒にお出かけすることができるのなら、「お店で買う補聴器」をおすすめします。
あなたが補聴器を贈る目的は「お相手の聞こえ方を改善する」ためだと思います。この点において、通販補聴器がお店の補聴器に勝てることはほぼありません。
お店の補聴器は、機能が高くお店のサポートが手厚い分、どうしてもお高めにはなってしまいますが、補聴器本来の意図、「聞こえ方を改善する」点を重視するのであれば、だんぜんお店の補聴器がおすすめです。
またプレゼントする側としては、お店の人のサポートが受けられるのは、一見地味ながらも実はとても重要な点です。
新しいデバイスを使い始め、使い続けるお相手を、あなただけがサポートするのは大変なこともあるでしょう。
お店で補聴器を購入すると、補聴器のプロが伴奏してサポートしてくれます。
補聴器を使い始める時は、お店の人が丁寧に使いかたを説明してくれます。
補聴器を買った後も何年にもわたってお店が相談に乗ってくれて、補聴器のケアをしてくれます。
コツその2:どうやって切り出すか
補聴器を贈る時は、サプライズで急に渡すのではなく、事前に少しずつ補聴器について切り出しておくことをおすすめします。
補聴器を使えるかどうかは、ご本人の意思に左右されます。本人に補聴器を使う気持ちが無いのに補聴器をプレゼントしても、そのままタンスの肥やしになってしまう、という事も考えられます。
お相手によって切り出し方は様々ありますので、お相手にとって一番良い方法を考えてみてください。
大切なのは次の点です。
お相手のことを心配している、ということを伝える
お相手に共感を示し、相手の立場を尊重しながら、お相手の事を思っている事を伝えましょう。
NGな伝え方:相手を責める、自分が不利益を被っていると伝える、無理に補聴器を勧める
お相手とこれからも会話を楽しみたいと思っていることを伝える
あなただけでなく、お相手のお友達や、子供・孫を引き合いに出すのも良いかもしれません。
最近の補聴器はとても良いものだという事を伝える
お相手の中の補聴器のイメージを変えていただくことで、補聴器へのハードルが低くなるでしょう。
最近の補聴器は、とても小さく、デザイン性が高くなっています。お相手の心の中にある「補聴器」とは全く違うものになっているはずです。
また、身近な人が補聴器を使っているようなら、そのことも伝えてください。
補聴器使用について切り出す方法については、こちらの記事も参考にしてください:
難聴を放置しない! 家族を説得する方法と補聴器以外の対応策の3つのポイント
コツその3:プレゼントした後もサポートを
プレゼントを渡して「はい終わり」ではなく、その後に補聴器使用に慣れるまでサポートすることもプレゼントの一環にしてみてはどうでしょうか。
一般的に、補聴器に慣れるには数カ月かかると言われています。また、自分だけで使うのではなく、身近な人のサポートがあった方が慣れやすいでしょうし、使う理由にもなるでしょう。
どんなサポートができるかというと・・・
- お店で聞いた使いかたを一緒に実践する。もし分からないところがあるなら一緒に取扱説明書などを確認する。
- 購入後にお店に行くときに一緒に行く。
- お相手が補聴器を使い続けるモチベーションとなるよう、お相手を褒めたり、会話しやすくなったと伝えたりする。
- 何より、補聴器をつけたお相手とおしゃべりを楽しむ。補聴器をつけている人に対してどのような話し方が適切かを、事前にお店の人に確認しておくとよいでしょう。
お相手と一緒に補聴器を楽しんで
どんなプレゼントも、お相手が使っているところを見るのは嬉しいものですよね。
補聴器は普段使いするものなので、お相手と会う時にはいつも使っているところを見ることができます。
ぜひ補聴器をプレゼントして、これまで以上にお相手とのおしゃべりを楽しんでくださいね。